« Eventide Spacetime | トップページ | 国産ハイエンドギターのカスタムオーダーに挑戦(11) »

2017年2月26日 (日)

国産ハイエンドギターのカスタムオーダーに挑戦(10)

今回のオーダーで初めて分かったことがあります。

それは、セルバインディングについてです。

今回のオーダーをするまでは、ある一定規模の工房以上では、NCルーターを使って簡単にセルを貼るための溝が掘れるものだと思っていました。

しかし、それは大きな間違いでした。

レスポール系のようにボディの縁やヘッドの縁がまっすぐに高低差がない場合は、通常のNCルーターでも溝が掘れるようですが、ストラト系のようにコンター部分が削れてボディの縁に角度(高低差)が付いている場合やヘッドの縁が湾曲して角度(高低差)が付いている場合は、通常のNCルーターでセルバインディング用の溝を削るのは無理なのだそうです。

そのため、全てを手作業で行う以外方法がないとのこと。

特にストラト系の場合、レスポール系と異なり、ヘッドにセルバインディングを付ける際、ナットの位置からヘッドの位置までが湾曲して角度(高低差)が設けられているため、ここに綺麗にセルバインディングの溝を掘り、セルバインディングを貼るのは、かなりの技術を要するようです。

そのため、ストラト系では、通常、ボディはセルバインディングではなく、塗装で擬似的に作ったナチュラルバインディング(スクレイプト・バインディング)になっており、ヘッドにセルバインディングが施されていることはないようなのです。

なるほど、それでレスポールやSG系のシェイプには、ボディやヘッドにもセルバインディングが施されているのだと分かりました。

もちろん最新のNCルーターであれば、角度(高低差)の付いたボディやネックでも、セルバインディング用の溝は掘れるそうですが、初期投資に何千万円もかかるため、大きな資本の会社でないと、なかなか機器の最新化は現実的ではないとのこと。

T's Guitarsさんにお願いした時も、そのような理由でお断りを受けましたが、手作業でコストがかかっても良いのなら・・・ということで難しい作業でもお引き受けていただくことになりました。

ちなみに、ヘッドへのセルバインディングは、今年2017年のNamm ShowでSuhrが角度(高低差)のついたヘッドにもセルバインディングをしているギターを出品していましたね。

ご覧になった方もおられるかもしれません。

さすがにこのギターは、超格好良かったです。

さて、もう一つ分かったことは、セルバインディングが一層ではなく複層になっているマルチバインディングでは、最初からそのように複層化されているバインディングを貼るのではなく、何層も重ねてセルバインディングを貼ってデザインを作るということです。

そのためには、セルバインディンを貼るための溝を幾重にも作らなければならず、大変な作業を伴うのだということも分かりました。

これらは、自分が拘ったカスタムオーダーの依頼をして、真摯に対応いただいたT's Guitarsさんのおかげで、初めて知り得たことです。

大変良い勉強になったのと同時に、ギター作りの奥深さを少しだけ知ることが出来る良い機会となりました。

« Eventide Spacetime | トップページ | 国産ハイエンドギターのカスタムオーダーに挑戦(11) »

ギター」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/447593/69574177

この記事へのトラックバック一覧です: 国産ハイエンドギターのカスタムオーダーに挑戦(10):

« Eventide Spacetime | トップページ | 国産ハイエンドギターのカスタムオーダーに挑戦(11) »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ